さあ、伊瀬さんインタビューもいよいよ最終回です! 今日の記事は正直、ダイナマイト爆破!入るぜ! 真のRAPPER☆ソングライターの登場だ。Eiー!
- 実は「音作り」は進化の過程?
- Evisbeats(エビスビーツ)氏との出会い
- RAPPER的、韻(いん)を踏むテクニック
- 歌い手とのコラボで新しい領域へ
- 「曲を聴くより作る方が1000倍好き」
- 最後に
- ラップの過去記事
実は「音作り」は進化の過程?
ISEさんの曲は大人の知的セクシーさがあり、それはバランスの取れた「音」そのものに感じます。知性を感じさせながらも脱ぐとけっこうグラマラスな、贅沢なナイスバディな音。
ジャズのコード進行とHIPHOPのビート作りが土台です。
軽い鼻歌や、通りすがりにチラッと聞こえた短いフレーズなど、
小さなひらめきを引き延ばして曲にしていくことが多いですね。
何気におっしゃってますが、非常にジャズの造詣が深い方だと思います。こちらなんか、とっても美しいジャズ・バラードです。
『TAKIBI』feat.NICA-Izumic Terrace 伊瀬峯幸
https://youtu.be/2YsISQwh1Ug
157 回視聴•2020/01/27 Izumic Terrace
オモシロいのは都会的な洗練されたピアノ・バラードなのに、敢えて歌詞は「焚き火」という土の匂いとしているところです。いや、その逆でしょうか。「焚き火」の詞を書いて、そこをバラードでやったのかな? いずれにせよ、この感覚、非常に新鮮です。えげつなく、おされでおございます。ハイブランドの靴、踏んで履く、みたいな。まさに、”ハイブリッド・シティ派”の面目躍如、と言ったところ。
仲間たちと 憩う焚き火 >>TAAKIBI------って音感が素敵です。
火の粉が 語らう声を弾(はじ)き>>「ヒノコガカタラウコエヲハジキ」って言葉の音そのものが”ぱちぱちいう火を想像させます。
でもこれ”仲間”とか言い訳っぽくカジュアルに始めつつも、
あなたの 澄んだ横顔に
頼もしさと 幼さが揺らめいた
って、これ完全に、ポケモンのサトシをロックオンするセレナみたいになっていませんか?
そんでもってサビで
消えないでいたいの
2人の全てが 解けるまで
激しくに燃えても ほのかに灯っても
これはイエローカード・ゾーンでしょうか??っと思わせつつ・・
今だけを照らしてゆく
っと引き留めた、このバランス。結局わたくし、かなりじーーーんと感動してしまいました。そう、なかなか消えない残り火のようにね。甘めすっきり味なNICAさんの歌い方もいいです。
このように伊瀬さんの曲って、全部「単なるラブソングではない」のです。音は非常におしゃれなんですけど。いい意味で、ほんと要注意です!
機材や制作環境は全然整ってなくて、
グレードの低いDAW、子どもと一緒に使ってる電子ピアノ、古いキーボード、少々のサンプリングでがんばっています。演奏技術も知識もほんとにないので、何度もリテイクして、編集して、がんばっています。
少しずつ音作りの幅を広げたいとは思っているので、ギター買って練習しようかなとか考え中です。
これは衝撃ですね! 機材はそれほどでないのにここまでの音が作れるって、驚異的です。ビリー・アイリッシュのお兄さんの名言「ベッドルームからグラミーへ!」を思い出しました(まあ、ベッドルームにもいろいろあるんでしょうが)。逆にいうと今後さらに”成長”なさると、今後は恐ろしいことになりますね…。
1980・90年代のポップスは、自分の血肉になっているので、
今でもちょいちょいヒントをいただいてます。基本、作る曲ごとにモデルをみつけて、かっこいい人のやり方を学んでます。
言い換えれば、パクッています
パクる…いろんなレベルが想定される、深みのある言葉でございます。
Evisbeats(エビスビーツ)氏との出会い
Evisbeats(エビスビーツ)氏とは、2000年ごろ大阪でHIPHOPをしていた頃に出会いました。
今でもトラックメーカー、プロデューサー、ラッパーとして精力的に活動されています。発表音源は各チャート上位入り、MV「ゆれる」は1000万回再生など、すごい人です。(効果音)
EVISBEATS【MV】ゆれる feat. 田我流
https://youtu.be/nE1nzTE5ESA
11,005,070 回視聴•2011/12/04
Studio Ishi MMM チャンネル登録者数 2.13万人
そうなんですね! この曲は知ってますよ。従来のラップのイメージ(失礼ながら、どんなイメージなんですか?あなたのブログに乗ってるラップってPPRPとDOTAMAですよね…。)を変える、繊細な美しい曲ですよね。同時に田我流氏のイメージも変わりました。なぜなら、田我流は、わたし的に再生数が多い「ズンドコ節」での「ダントツでクズ!」で覚えたという…失礼極まりなくて、「ど~もすいません!」
そんなEvisbeatsさんの1st~3rdアルバムに数曲ずつ、ぼくは歌詞提供させてもらっています。その経験は、間違いなく今の制作手法に活かされています。「自分」の世界観を、楽しい音と言葉で伝えていけばいいのだと学びました。
さらっと、おっしゃいましたが、もうメジャー向けに詞を書かれているプロの方なんですね! うわっ! そんな方とはつゆ知らず、エラそうにいろいろ書いている、わたくしは、たんなる素人でございます。ゆるしてね。しっかし、そんな伊瀬さんのタダモノでない詞(しかもラップだぜよ!)の力を見抜いたtokyocabinブログはすごいなあ、と自画自賛させてください、はい、素人だからゆるしてね。
RAPPER的、韻(いん)を踏むテクニック
『Tree of silence』feat.NICA-Izumic Terrace 伊瀬峯幸
https://youtu.be/fvhWxerQdKw
147 回視聴•2019/10/27 Izumic Terrace
静けさと力強さの両方を兼ね備えた歌を、ソウルフルに歌いこなしているNICAさんの表現力、見事です。まるで、バニラアイスに熱々のエスプレッソを注ぐ「アフォガート」のような独特な魅力の歌になっています。これ…実に、難しい歌だと思う。
例えばこの曲の、サビの全3回
静寂の大樹 祈り宿すタワー
時の淀みを 弾く雨傘
…
静寂の大樹 祈り宿すタワー
うつむく顔を上げて まだまだ
…
静寂の大樹 祈り宿すタワー
迷いの影を掃う 刀
”大樹(たいじゅ)”と来て”タワー” で「た」行を重ね
”影(かげ)”と来て”刀(かたな)” で「か」行を重ね
なおかつ縦方向では”タワー”と”かたな”で「あ」を揃えます。
”雨傘”と”まだまだ”も「ま」と「あ」で音が一緒です。
さらに、すべての前半のフレーズは「静」、後半は「動」と対照的なイメージ。
しかも、体言止めでズバズバと言葉を置くところが、非常にパワフルで、まるで『鬼滅の刃』のAMVを観ているかのようです。この言語感覚、天才級ではないでしょうか。(←やはり、この読みは当たっていたんですね、といい気になるわたし。)
『Moment』feat.SABOTEN-Izumic Terrace 伊瀬峯幸
Izumic Terrace - 『Moment』feat.SABOTEN
172 回視聴•2020/04/05 Izumic Terrace
これ、すっごいオサレな曲なんですよ。まじ、踊らせてください!! 気持ちだけは…三浦大知になるから! てか、これでこんな系のダンスおどるとまじ、かっこいいよ!ぜったい。
これも韻であそんでますよ~!
酷く透明な その涙が
頬を伝って 顎先から
冴えた空気に落ちた瞬間の ひとしずく
眩しい光を取り込んで
清廉な愛情を映し込んで
この迷いの渦を切り変える プリズム
言葉で遊む楽しみと、リズム感が出るように、韻を大事に使っています。
なるほど、歌詞における韻と言うのは、言葉によるダンスフレーズみたいなものなのですね~。楽しいはずだわ。
歌い手とのコラボで新しい領域へ
チャンネルの7曲は、3人の歌手(SABOTENさん、TORiさん、NICAさん)にそれぞれ全く違う感じで歌っていただいていますよね。どういう風にお願いするのですか?
SABOTENさんの歌声を初めて聴いた時から、技術があって丁寧な方で、ぜひいつかお願いしたいなと思ってました。
音楽の趣味や、世代としての感性なんかに共通点があるんじゃないかと思ったので、特に多くの注文はせずに依頼しました。TORiさんやNICAさんも、とても強い世界観を持たれているんで、ぜひそれを活かしてもらえたらと思ってお話しました。
基本的には、あまり細かく指定しないようにと思っています。
その方を選ぶのは、その方が持たれている個性が好きになったからなので、
指示するとかじゃなくて、役割分担して一緒に曲にするという感覚です。ただ、その人の実力を発揮していただきつつ、これは余計なお世話かもしれないですが、新しい可能性を引き出せるような提案をすることがよくあります。
その方が日頃歌ってなさそうなジャンルや雰囲気の曲をあえて提案するのは、
もちろん「絶対いいのができる!」と確信するからだし、
事実みなさん予想以上にいい感じに歌い上げて下さいます。そこでお互いに幅が広がったら、また今後さらに楽しい曲ができるんじゃないかなーと思っています。
まさに、おそらくSABOTEN氏本人も知らないポテンシャルを引き出したと思います。それが見事に成功している! 「実際着てみたらばっちり似合い過ぎたスーツ」という感じ。おのれのSEXYさに目覚めたSABOTEN氏はどうなってしまうのだろうか、ぺこぱの松陰寺みたいになってしまわないか心配…って、「それはそれでかなり面白いだろう!」
「曲を聴くより作る方が1000倍好き」
「曲を聴くより作る方が1000倍好き」とおっしゃっていますが、それについてぜひ詳しくお願いいたします。今後の活動の展開・方向性なども。
自分勝手に、わがままに曲を作れているので、単純に曲作りが楽しいです。
アウトプットすることで自分の気持ちの整理ができたり、反応をいただくことで発見があったり。また歌い手さんとのご縁がつながっていくのも嬉しいです。
聴くのももちろん好きですが、最近は特に自分の内面から疑問やアイデアがどんどん出てくるので、受動的であるよりも能動的でありたいという気持ちの方がはるかに強いですね。
伊瀬さんのツィートを読むと、本当に楽しんで音楽を作っていらっしゃる様子がよく分かります。
手が離せない時に限って、いいメロディーや歌詞が浮かぶ。鼻歌天使が遊びにやってくる。
— Mineyuki Ise / 伊瀬 峯幸 (@mineyukiise) 2020年6月3日
そいつらはいつしか消えて、思い出せなくなる。落としてったメロや歌詞はどこへ消えるのだろう?別次元の世界で素敵な曲として生まれているかい?それとも分解され僕が次に作る曲のエキスになっているのかなー。
今後は引き続き色んな方とコラボして楽曲制作したいです。
国内外、経験やジャンル問わず。
音楽家以外のアーティストさんやyoutuberさんなど、
様々な分野の方と交流して刺激を与え合いたいです。自分なりの音楽活動で、感動の形の一つを提案したいですね。
たしかにYouTube活動してると…ジャンルや国境って意味ないと感じてしまいます。コラボの可能性は無限大ですね。tokyocabinも伊瀬さんの活動をチェックし続けますよ!
最後に
とにかく曲がすべてにわたりハイレベルだったので、このチャンネルは絶対化ける!という確信しております。実際にインタビューに応じていただき、やっぱりエネルギー高いし、今までになかったタイプのクリエイターだと感じました。これは…神社パワー? あなかしこ!
どれも本当に粒ぞろいの曲なので、ぜひチャンネルで確かめてください☆
ラップの過去記事
---------------
tokyocabin