V
「昨日人を殺したんだ」
君はそう言っていた
梅雨時ずぶ濡れのまんま部屋の前で泣いていた
夏が始まったばかりというのに
君はひどく震えていた
そんな話で始まるあの夏の日の記憶だ
「殺したのは隣の席のいつも虐めてくるアイツ」
「もう嫌になって肩を突き飛ばして」
「打ち所が悪かったんだ」
「もうここにはいられないと思うしどっか遠いとこで死んでくるよ」
そんな君に僕は言った
「それじゃ僕も連れてって」
PC
財布持ってナイフを持って
携帯ゲームも鞄に詰めて
要らないものは全部壊していこう
あの写真もあの日記も今となっちゃもういらないさ
人殺しとダメ人間の君と僕の旅だ
C
そして僕らは逃げ出した
この狭い狭いこの世界から
家族もクラスの奴らも何もかも全部捨てて君と二人で
遠い遠い誰もいない場所で二人死のうよ
もうこの世界にかちなどないよ
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃないか
君は何も悪くないよ 君は何も悪くないよ
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memo
死ぬ、殺す、というワードは、生存本能に直結するため強い印象を与える。
個人的思うのは、「殺したことを打ち明けられる相手(僕)」がいる場合、すでにかなり救われているよね…ということ。そういう意味でこの歌の内容は、孤独、ではなく”共感”になる。裏切られたとしても、前提としての共感は残る。裏切りは共感が前提、ということか。