「アンビバレント」の消化不良
Eveさんによる来年2月発売の新アルバム「おとぎ」に収録されている「アンビバレント」についてです。
Eveさん、あんたの声が好きだから正直に言わせてくれ。
世界に興味を持ちながら足を踏み出せない。そんなナイーブな少年が外へと一歩踏み出るには、それなりの理由がないと納得できない。だって、こえーもん。おうちは安全だし。そのきっかけが提示されていないこの歌は、なんとも消化不良に聴こえる。「熱く燃える炎が心に灯るから」って言われても具体性に乏しいので、なんかオーディエンスは置いてけぼりなんだよね。正直共感できないわけ。少なくともわたしはね。いや、じわじわ燃えてきて燃え広がって、そっとドアが開いて出ちゃったんですよ。って? ま、そういうパターンもあるでしょう。でも、ストーリーとしてはドラマあってこそのカタルシス、それがあって初めて後半のあなたの素敵なシャウトが威力を持つのでしょう。行動を始めるきっかけを描くことは語りの上で大事なポイントだと思います。
「あの娘シークレット」の限界突破
その点「一目惚れの彼女をゲットするためには先輩といえども遠慮せん!」と愛と闘争に目覚める歌「あの娘シークレット」)は非常に分かりやすかった。鉄板だけど、鉄板焼きはハズれないので!
2017年12月発売のアルバム「文化」収録
「これは偶然なんかじゃない 向かうのさ」なんちゅー思い上がり、なんちゅーオバカさんでしょう。でもそれが恋だから。「君がいないないないと 不安になって 何も手につかなくなってしまう」という危険な状況、だからこそ一歩踏み出さないと死ぬ!という切迫感で、人は初めて自分の殻から出て、大人になるのではないでしょうか。
(画像クリックすると、このシーンから動画が」再生されます)
上のシーン、なんど観てもゾクゾクします。この瞬間主人公の男子は知ってしまうんですね。僕も、あの娘も、みんな孤独なんだって。みんな孤独だからこそ愛が成り立つって。その後二人がどうなったかはこの歌ではわからないのですが、言えることは間違えなく彼は大きな世界へと飛び出した。思いっきり加速度を上げてドアをぶち破ったということです。
というわけで、また今日も「あの娘シークレット」を聴いてしまいました…。
孤独からの脱出をテーマにした曲で最近のイチオシはこちらの曲です。ぜひtokyocabinのヤローにだまされた!と思って、一度歌詞を観ながら聴いてみてください。本当に苦しい中作った曲だとわかります。泣けます。そのあと元気出ます♪
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tokyocabin