自分が進む道において上達したい。
誰だったそう思いますよね?
上達にはコツがあるみたいですよ。
知りたいですよね?
2 ジョッシュ・ウェイツキンって誰?
全米ジュニアチェス選手権2年連続優勝者
中華杯国際太極拳選手権推手2部門制覇
ブラジリアン柔術黒帯
映画化された『ボビー・フィッシャーを探して』は
彼をモデルにして父親が執筆
3 何が書いてあるの?
「一芸は万芸に通ず」宮本武蔵
チェスという知の格闘技で培った精神力と
それを陶冶する方法は、
武術にも通ずるのであった。
4 一押しする理由!
名著『上達の法則』(岡本浩一)の
エキサイティングな実践編として
「上達道」の奥義を楽しく学べます。
チェスや武術に親しんでなくても
面白く読めます。
そのさいはテクニカルな描写は
すっ飛ばしましょう。
武術に親しんでいる方には、
高等心理戦で世界を制した
彼の分析とメンタルトレーニングを
より深くデコードできて面白いでしょう。
5 心に残った言葉
ご注意:
この本は少なくとも私にとっては
あまりにも役に立つことが多く、
到底全てはここで網羅しきれません。
<根本的な心構え=求道>
p.43 (引用ではなく、まとめ)
発達心理学
実態理論(entity theory)
親が無気力誘導型の指導をする
「まあ、いい子ね! なんて頭がいいの!」
「きっと遺伝ね」
↓
子供は能力は先天的なものと思い込む
「自分はこれが得意だ」
「これを解けるほど自分は賢くない」
増大理論 (increacemental theroy)
親が習得思考型の指導
「よく努力したね」
↓
子供は、自分は学びの途上にあるだと考える
「頑張って取り組んだおかげだ」
「もっと努力しよう」
この二つの考え方の違い、
微妙だけど重要です。
ちなみに、わたしは
実態理論に支配されて苦しんでおりましたが、
最近はだいぶ治りました。
実態理論はリミッターかけちゃうから、
変化に対応できなくて苦しいんです。
イップ・マンを見てから
師父(シーフー)という言葉が
とても好きになりましたが、
この師という考え方は、
増大理論 ですよね。
師とは絶対的に手の届かない神ではなく、
模範として目指せる対象なわけですから。
p.223
サンダルを作る
岩場の道を歩くためには、
その道をことごとく革で覆うか、
サンダルを作るか、
二つの方法がある。
−−インドのことわざ第一段階は、
風に吹かれる草の葉のように、
自分の気を散らせるものを柔軟に
受け流せるようになること。
第二段階は、
自分の気を散らすものを利用して、
本来は試合を台無しになる根源だったそれを
インスピレーションの源に変えること。
そして最終段階は、
そういうインスピレーションを得られる状況を、
自分の心の中だけで再現できるようになること、
つまりサンダルの作り方を覚えることだ。
嫌なヤツや、嫌いな現象に対して
どういう態度で接するか?
深刻な問題です。
スポーツ用語で、
ソフトゾーン
ネガティブな環境などを冷静にで受け流す、
あるいは受け入れる心理状態
ハードゾーン
ネガティブ要素を排除する心理状態
というようです。
わたしはまともに反応、怒る、無視する、
そして自滅する。
完全なハードゾーン状態です。
そんな自分を変えたいです。
(そんな願いから『スルーする技術』を読んだんですよ)
<トレーニングの方法論>
p.7
数を忘れるための
型を忘れるための型…テクニックや原理や定石が
自分の無意識と一体化するまで
徹底的に学ぶ習慣
p.206
ストレス・アンド・リカバリー
=インターバル・トレーニング
長期的に安定したパフォーマンスを得るために大切な基礎
p.125
負の投資
推手を学ぶ者にとって最も難しいチャレンジの一つは、
少なくとも抵抗しないすべを学んでいる間は、
エゴを捨てて、あちこちに投げ飛ばされまくっても
平気でいられるようになることなのだ。
…
成長するためには、今持っている考えを捨て去る必要がある。
いずれ勝てるようになるために、今は負けなければならない。
p.250
より小さな円を描く
一つの技術やアイデアだけを用いて、
そのエッセンスが感じられるようになるまで練習を繰り返し、
その上で、そのパワーを失わないようにしながら、
動きだけを凝縮させ、結果的にとても力強い上に
ほとんど誰の目にも見ることのできない武器が
出来上がるプロセスだ。時間の流れを緩める
特定の技術だけを選んで、
それだけにフォーカスを当て、
自分の意識がその技術を徹底的に細かく
知覚できるようになるまで
自分の中に取り入れる。
一定の時間内により多くのものを見ることができるようになり、
まるで時間の流れが遅くなったように感じられるようになる。
…
この学習アプローチが素晴らしいのは、
それがどんなに小さなものであり、
ある一つの技術を徹底的に磨き上げさえすれば、
その感覚をクオリティの指標を据えて、
磨く対象をさまざまな別のものに広げていけるところにある。
よい感覚がどんなものなのか一度わかってしまえば、
別の何かを追求する際にも、
その感覚が得られるよになることを目標にすればいい。
p.142
…僕は自分の知っているごく限られたことだけに
すっかり磨きをかけていた。
他のプレーヤーが大きくて華麗で
比較的実用性の薄いレパートリーを
身につけていた一方で、
僕は身体メカニズムを力強く凝縮冴える道を
選んでいた。
実施あの話、激しい競争の中で生き残れる者と言うのは、
自身の持っている技術を相手より
わずかでも深く磨いたものだ。
トップになるために必要なのは、
ミステリアスなテクニックなんかではなく、
一連の基本的技術とされているものだけを
深く熟達させることだ。
どんな分野でも深さは広さに勝る。
許してください、とても全部フォローできません。
ふかいーーー奥義を連発!
でも言ってることは結構シンプル。
これって「イングリッシュモンスター」にも通じるものが。
6 関連書など
『上達の法則 効率のよい努力を科学する』
(岡本浩一)
『習得への情熱』p.158
「チャンキングと神経経路の開墾」は
すごくこの本とかぶります。
合わせて読むことをお勧めいたします。
『道徳経』 ( 老子)
アクション俳優ウー・ジンの愛読書でもある。
T'ai Chi Classics (Waysun Liao)
『禅とオートバイ修理技術』(ロバート・M. パーシグ)
7 最後に
上達のコツとは?
ひとことで言うと
「インターバル・トレーニングで基礎を極めろ」
になります。
耳が痛い。
でも上達したいから今晩からやろう!